2011年9月11日日曜日

「もっとボランティアを!プロジェクト」の報告会に参加しました。


もっとボランティアを!プロジェクト」の報告会に参加してきました。
8月に3期に分けて学生を中心としたボランティアが、東日本大震災の被災地を周り、ボランティア情報のニーズ調査活動の報告会です。調査によって発掘されたボランティア情報は、ボランティアインフォのデータベースに登録され、ヤフーなどのポータルサイトに掲載され、実際に東京などからボランティアの人が紹介したボランティア団体に参加したそうです。

学生さんの発表

参加した学生が1人1ボランティア団体を紹介するかたちで行われました。資料などは、今後公開されると思いますが「もっとボランティアを!プロジェクト」が調査したボランティア情報については以下のページにもまとめられています。また、当日のUstreamのアーカイブもあります。
泥かきから、写真の洗浄、整体師、お風呂の女性番頭まで、さまざまなボランティアニーズがあり、現地に行かないと分からない問題やエピソードの話を数多く聞くことができました。発表している学生さんが、それぞれの想いを込めて説明していて、皆さんすばらしい経験をされていると感じました。

ひとつ驚いたのが、発表した学生の9割が女性だった事。特別な理由があるわけでもなく、募集したら女性が多かっただけだそうです。男子学生の多くが肉体労働系ボランティアに参加しているのかと思ったら、そうでもなく、問題意識を持ち行動できる女子学生と、無関心な男子学生という現実が、残念ながら明らかだそうです。個人的に勤務先の新入社員を見ていても、積極性、リーダーシップ、プレゼンなどの表現力など、圧倒的に女性のほうが上だと感じます。男は、直接話してみると、やる気がないわけではなく、何か課題が与えられると真剣に取り組むのですが、なんというか不器用で、自分の考えもうまく整理できてなく、表現も下手です。
ただ、職場では、現場の柱になっていた女性が、結婚や出産をきっかけに、(会社には残っていたとしても)現場から外れていくことが多いです。発表している彼女たちが10年後、何をしているんだろう。彼女たちの能力を本当に活かせる社会になっているのかなと考えながら発表を聞いていました。

また、発表後に、何人かの方と話をさせていただいたのですが、ボランティア団体を探すだけでなく、団体の情報をどう発信していくかについて、試行錯誤をかなりされていたそうです。情報掲載は、その団体の広報活動そのもので、体育会系の男らしい団体ならそういう口調で、誠実な団体なら真面目な文章でと、少しでも見た人の目にとまり、活動している方の想いが届くように工夫して登録しているそうです。はじめて出会ったボランティア団体の活動を把握して文章にまとめるだけでも難しいと思いますが、その情報を見た人が「現地に行って参加したい!」と思わせる文章を書くというのは、広報のプロでも簡単なことでないでしょう。個人も自己表現、情報発信の力が必要なソーシャルメディアの時代に、お金では買えないいい経験をしていると思いました。

ふたつの大きな課題

ウェブサービスとしてみると、ボランティアインフォの特徴は、インターネットのサービスであるのに、ボランティア情報ページの公開を自らは行わず、APIを公開しデータベース作りに専念しているところです。そのAPIを利用して、ポータルサイトで公開されるなど、第一の目標は達成していると思いますが、私も以前に参加させていただいたのですが、APIの説明会などをしても、なかなか、それ以外のAPI活用事例が増えていないようです。あってもiPhoneアプリでのボランティア情報の検索など、マルチデバイス展開などにとどまっている印象です。

APIでデータを公開する意味は、マルチデバイス化の期待と、集計・加工・連携などにより元のデータとは違うサービスになる事の期待だと思います。集められたボランティア情報がなんらかの工夫で別の価値を持ち、それによってボランティアインフォの活動自体の価値が上がる事です。僕は利用する側でもあるので、自分の努力不足も感じています。集めたデータを同じ意図でただ掲載するだけでは、今までの情報提供元とポータルサイトという情報掲載サービスの形態とあまり変わりません。TwitterのAPIをもとに世の中で話題になってることが抽出され、電気使用量のデータを元に電気予報が作れた。そういう事例がほしいところです。

また、現状ではボランティアインフォは、ほぼ東日本大震災のボランティア情報のみを扱っているので、復興が進みボランティアニーズが少なくなると、ボランティアインフォ自体の存在価値がなくなってしまうジレンマがあります。NPO団体申請中ということは、今回の震災復興後の存続も視野に入れている事だと思いますので、これ大きな問題です。

API活用のひとつのヒント

ボランティア情報の加工活用については、説明会でひとつヒントを感じました。ボランティア団体の中にブログを書いているところが結構ありそうだったのです。そして、ボランティア募集情報にブログのURLが記載されていました。

震災から半年がたち、「震災と被災地を忘れるな。」という意図のプロモーションが増えてきました。しかし、被災地にいる人の現場の様子は東京にいると全く分かりません。ブログなどを探そうと思っても、大量の情報の中で埋もれてしまっていて、探すことは困難です。

ボランティア募集情報を掲載した団体は、募集が終わっても、地元の人や集まったメンバーで、活動を継続しているところが多く、ブログも書き続けてくれているかも知れません。それらのブログのエントリーの更新情報を集約して、ボランティア情報を元に被災地の様子を伝える新しいウェブサービスを作れないかという可能性を感じました。被災地のボランティアの現場がつくる復興のタイムラインです。現場の人の写真や文章は、「震災と被災地を忘れるな。」キャンペーンとは比較にならないインパクトを持つでしょう。
ただ、ブログが当事者以外にも伝わるように書かれているかという懸念はあります。ボランティアインフォに情報を掲載して、外から人が来たことで、情報発信の大切さが理解されて、情報発信の質が上がっていたとすれば、実はそれこそがボランティアインフォの一番の成果なのかもしれません。現地からの情報発信がきっかけで、埋もれていた問題が解決されるような事が起きれば本当にすばらしい事です。

今後

少し飛躍しますが、今回の震災は、大きな変化を瞬発的に起こしました。少なくとも個人の内面の変化は確実に起きていると感じます。エネルギー問題や災害についてだけでなく、考え方や生き方が変わった人も多いと思います。でも、国や行政、会社組織になると、大きな問題を抱えたまま何も変わっていない。それに対する危機感を感じている人は少なくないはずです。震災の直接的な被害が、表面上の解決をしたら、3月11日以前の社会に戻って、それでいいのかという事なんだと思います。

今回のボランティアインフォの発表会の後、ボランティアインフォの今後について議論がされていました。それぞれの想いと現実の問題の中、まだ今後のビジョンは見出せていないようです。10年後に振り返ったとき、東日本大震災の後、いい意味での世の中の変化があり、それのきかっけがボランティアインフォだったね。という事が起きたら、本当に素晴らしい事だと思いますし、そうなってほしいと思っています。自分にも支援できる事があれば、協力させていただきたいと思います。

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